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【読書】「本多静六 若者よ、人生に投資せよ」を読んだ

「私の財産告白」など、本多 静六氏が書いた本を何冊か読みましたが、
本書は本多 静六氏の評伝になります。

 

【紹介文の引用】

わが国初の林学博士として、日比谷公園をはじめ日本中の公園の設計、
そして明治神宮の杜の造林に携わり、関東大震災後には東京復興計画の策定にも関わった。
一方、大投資家として巨億の財産を築きながら、後年、そのほとんどを寄付し、若き世代を育てる礎とした。
彼の名は、本多静六。
これほど大きな仕事を成し遂げたにも関わらず、現代の日本人にあまり知られていない。
『白洲次郎 占領を背負った男』で知られるノンフィクション作家・北康利氏が、
本多静六の功績と生涯をたどり、知られざる偉人の実像に迫る渾身の傑作評伝。

 

大学教授でありながら、現在価値で500億円を下らない資産を築き、生涯に376冊もの著作を残した人です。

勤倹貯蓄の資産家のイメージが強かったのですが、本書を読んで本職でもすごい人だったことがよくわかりました。

 

ただ、やはりすごいのは資産家としての成功です。

ドイツ留学時代に出会ったブレンターノ博士から

「学者であっても、独立した生活ができるだけの財産をこしらえなければならない。そうしないと、金のために自由を奪われ、精神の独立も生活の独立もおぼつかないようになる」

「今の日本なら、幹線鉄道と安い土地、山林に投資するが良い」

とアドバイスを受け、帰国後、貧困から脱出を試みます。

彼は大学の助教授だったのですが、月給の四分の一天引き貯金を実施。(手取りから1/4を強制的に貯金にまわし、残りを生活費に使う)

まず元手を作ります。

ちなみに明治35年で普通預金の金利は6.9%だったそうです。株式投資のリターンの期待値なみですね。うらやましいです。

 

まず彼は日本鉄道株(配当10%)を購入します。
ドルコスト法で買い増しし、当初10倍の300株に積みあがりました。
ここで幸運が舞い込みます。

国有化で2倍の値段で買い上げされ、わずか14年で資産は現在価値にして10億円を超えたそうです。

集中投資で一発当てたという感じでしょうか。
私なら、ここで満足し、FIREや守りに入っていそうな気がします。。

 

次に、彼は資産ポートフォリオを組み、今度は1社に絞るのではなく、ガス、電気、製紙、ビール、紡績、セメント、鉱業、銀行など30種類にわけ、優先株を選んで分散投資を実施しました。

好景気は倹約貯蓄を、不景気には思い切った投資を。

時機を逸せず巧みに繰り出すのが、彼の投資です。
やがて彼の資産は現在価値にして100億円近くに達するのですが、これだけで彼は終わりません。

 

明治33年頃から始めたのが山林投資でした。

目をつけたのは秩父の山林です。

東京ドーム2100個分くらいの山林を購入したそうです。
明治37年の日露戦争で木材需要が急拡大。買値の数十倍で売却。

こうして秩父の山林投資で大資産家になりました。

 

彼がすごいのは、資産家になってからも、大学の助教授、造園もやり、夜は書籍を書き、努力をし続けたところです。

 

彼の名言ですが、「職業の道楽化」。職業を道楽だと思える境地にたどりつくためには努力しかない。努力すれば向上し、向上するから楽しくなり、生活も楽になってくるとのことです。

 

大学教授の仕事だけに専念していても成功して充実した人生だったのかもしれませんが、その他の造園の仕事や、作家、投資などに複数のことにチャレンジしたことにより、彼の人生を豊かにしたことは間違いありません。

 

私も、仕事ではシステム開発のプロマネ、システムのアーキテクト、セールス。

家庭では夫として父として。プチ投資家、新技術の勉強、ブログなど、

自分がやりたいことを、二兎も三兎も追いかけシナジーを出すような生き方をしたいと本書を読んで改めて思いました。

 

本多静六記念館が久喜市にあることを知りました。一度行ってみたいです。