つい昔は円高はよくないと世論は騒いでいた記憶ですが、昨今は悪い円安が注目をあびてます。
タイトルからわかるとおり、円安・異次元の金融緩和を否定してます。
・円安によって、日本円の購買力が低下した。
・円安の麻薬効果で、日本企業が技術開発やビジネスモデルの転換を怠った。
とのことです。
円安によって、企業は利益を上げやすくなります。輸出企業は、確かに売りやすくなりますし、輸入企業も消費者に価格を転嫁することができます。
物価を上げるのに、物価が先か?賃金が先か?というと、賃金が先です。
物価を上げる政策ではなく、賃金そのものを上げる政策が行われなければならない、とのことです。賃金を上げるためには付加価値を上げる仕事をする、ということになります。
確かにお札を擦りまくれば物価を上げるだけは簡単な気はしますし。今も円安で物価は上がってます。
そういえば、2019年にアメリカへ出張の際、ずいぶん食事にお金がかかった記憶があり、円の購買力低下を肌身に感じました。
あれから更に円安が進んだと思うと、肌寒い感じがします。。
結局、金融政策だけやっても経済成長はせず、構造改革をしないかぎり前に進まないということを著者は述べてます。
韓国のように、IMF危機のようなところまで追い込まれないないと、抜本的な変化は起こせないのかもしれません。
先々、円安がもっと進むのかもしれませんが、「円だけで持つのは危険、分散分散」と改めて思いました。少し暗い気持ちになる、そんな本でした。