投資に対しての基本姿勢や考え方がわかりやすく書かれている本です。
私はどちらかというと、個別株の投資よりもインデックス投資を好んでますが
本書はインデックス投資をメインでやろうとしている人向けの本ではないかもです。
この本にも書いてますが、平均的な投資パフォーマンスなら誰でも達成することができます。
具体的には、インデックスファンドを少しづつ購入すればよく、そうすれば、その市場全体の動きに連動し、いわゆる「マーケットリターン」が得られます。
本書では、その上を目指すための考え方が書かれています。
自分自身は、どちらかというと個別銘柄の良し悪しはわからないという前提に立っています。
なにしろインデックス投資が退屈であることから、
・不動産投資をやってみたい
・個別株もやってみたい
・事業投資も・・
といろいろ思い浮かべるものの、慎重な性格なので、結局やらないことになります・・
ただ、投資家のマインドは仕事する上でも大事だと考えているので、
マインドを知るためにも、ウォーレンバフェットも絶賛している本とのことで、この本を読みました。
この本で一番、重要なメッセージですが「2次思考」です。
この会社は良い企業だから、この会社の株を買うのが「1次思考」です。
対して、他の人の評価に対して自分はこうしようと考えるのが「2次思考」です。
他の人がどう見ているかを「コンセンサス」といい、コンセンサスに対して自分がどう考えるかです。
要は、ある株式について世間が悲観的に見ているときに、その見方は悲観すぎるのではと考えて買うような行動でしょうか。
ところで、私が株をはじめて経験したのは、10数年前です。
当時、日経新聞では「株式市場は終わり」「どこまで下がるのか」など、市場に対して絶望的なことが書かれていました。
その時はあまり株のことはよくわかっていなかったのですが、配当の利率が思いのほか高かったので、銀行預金の比べてどう考えても得だよな。
これ以上、本当に下がるのかなあ?、と疑問に思い、逆張りで恐る恐る購入。。
そのあと株価は急上昇したので、新聞や世間の言っていることは案外アテにならないものだな、と当時、感じました。
もともと、みんなはそう言っているけど、自分は・・・という発想をするタイプではあるので、ひねくれている性格?の人は投資が向いているのかもしれません。
投資は、経済学や政治、経営の知識も必要ですが、
マーケット価格は市場参加者の心理に左右されるので、それ以上に心理学の理解が大事なのかもしれません。
それでは、単純に逆張りで投資すればよいかと言うと、そうではなく、本質的価値を知っていることが大前提になります。
本質的な価値を理解し、割安なタイミングで購入するのが、バリュー投資なのでしょうしょうか。
一方で、その企業が将来成長するかどうかに賭けるのが、グロース株の考え方なのでしょう。
私は投資の初期は「バリュー投資派」でした。やはり考え方がわかりやすいから。
財務諸表を読み、PERやPBRの指標を見て「割安」「割高」を判断してました。
そのうち違和感を感じてきたのですが、
財務諸表にあらわれない無形の価値(ブランドや人材など)が企業にはあるし、財務諸表(=過去の成績)で将来がわかるのであれば苦労しないのではないかと思うようになりました。
一方で「グロース投資」は、将来の成長なので、財務諸表で判断が難しい。
プロは将来キャッシュフローを予測して見積するのかもしれませんが、結局、適当に買っているのと、大して差がなさそうな気もします。
企業の成功を予想することは難しいので、きっと打率が低めになるのでしょう。
一発当てれば儲かるようなスタンスでの投資でしょうか。
ソフトバンクグループの孫さんの投資スタンスですが、数を打って、その中から大勝ちするものが出てくるのを待つようなことを何かの本で読みました。
彼は典型的なグロース投資なのかもしれません。
どちらにしても、投資は「良いものを買う」のでなく、「うまく買う」ことを著者は強調してます。
最良の投資方法は、暴落時にどんな価格でも売らなければならない人から買うこと、と書いているとおり、まさしくそういうことなのでしょう。
自分なりに、個別株の投資を行う場合の作戦を考えてみました。自分がよく知ってる業界や会社の株を調べて、その会社の本質的な価値を理解しておく。
その上で、コンセンサスが自分の考えと異なるときに購入する。そんなところでしょうか。
不動産投資する場合もきっと同じなのしょう。
よく知っている物件に目をつけておいたり、同じような条件で物件をいくつも探し、
じっと待ち、掘り出し物が見つかったときに買う。
戦国武将でいうと、徳川家康のように「じっと待つ姿勢」が大事なのかもしれません。
リターンだけでなく、リスクのブレ幅をイメージしておくことが大事なことも、本書では書かれています。
正式分布だけのイメージだと痛い目にあう。テールイベントの可能性を意識しておくことも書かれています。
結局、いくら頑張ってもリスクの大きさは測れないし、知ることができないと。
投資は未来に対処することなので、「絶対はない」と思うことが大事なのでしょうか。
やはり、個人的にはインデックスをドルコストで積み立てし、
ポートフォリオを適切なレベルで管理するのが、やっぱり確実だし楽に感じます。
投資だけで食べれるようになりたいって思っているわけでもないですし・・
でも、きっと投資の本質を理解しておかないと、いずれ痛い目に会う気もします。
投資するにあたり、そんな本質や基本的な姿勢がよくわかる本ですので、投資を本格的にしたい人にはおススメです!